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図書館総合展協力委員フォーラム「図書館総合展の地方展開が拓く可能性-これまでとこれから」の報告

図書館総合展 図書館

第15回図書館総合展(2013) 10月29日(火)10:00-11:30
図書館総合展運営協力委員フォーラム「図書館総合展の地方展開が拓く可能性-これまでとこれから」

参加者:54名

 

初めての司会ということで緊張のなか、なんとか無事生還いたしました。しかし朝いちのフォーラムだと会場設営とこちらの準備がバタバタして大変ですね。

前日夜に登壇者同士はじめての顔合わせと最終打ち合わせ、配布資料のセットを行いました。ほかのフォーラムの方々もそうだと思いますが、皆さん時間がないなか、準備等本当に大変だなと、実施する側に回ってみてリアルに実感することができました。

当日も会場をアネックスホール側の部屋番号と間違えてみたり、依頼していたはずのPCがなかったり、ワイヤレスマイクがなかったり、音声出力ができなかったり、PPTしか出力できなかったりとパニック状態。来年以降フォーラムを実施される方々、特に朝いち枠は準備時間がないので、事前準備をしっかりとされることをお勧めします。

 

発表資料

私が冒頭説明などで使った資料をslideshareにアップしました。

私の方からは、図書館総合展の地方開催の歩み、協力委員について、京都開催について報告いたしました。京都の事例では、その後の協力委員につながる活動として、有志による懇親会を報告させていただきました。詳しくはスライドをご覧ください。

 

当日の映像も記録されております。こちらもご参照ください。(見てほしいような、見てほしくないような複雑な心境ですが・・)

 

以下、各地方開催のキーワードやポイントかいつまみです。ニュアンスや認識違いがあるかもしれませんので、詳しくは記録映像でご確認ください。

 

仙台の事例報告

仙台開催については、庄子さん(MULU)から報告がありました。庄子さんといえば、図書館体操!ということで、冒頭に参加者全員で図書館体操をやってから報告に入りました。

冒頭に時節ネタ「GMT(地元に帰ろう!)」ということで、地方開催についての意義と「MULU(みちのく図書館員連合)」の活動を踏まえて、図書館総合展との関わり、地方開催が秘めた可能性について報告。

MULU発足の歴史、顔の見えるコミュニケーション、茶話会。2012年の図書館総合展in仙台の開催、図書館体操のお披露目、第14回図書館総合展(2012)への参加。

地方開催の利点として、図書館と本に関わる業界の新たな繋がりを発掘できる、「図書館×○○」ということで、企業やその他の団体などをつなぐきっかけとなること。MULUでは、お土産マップ、地元出版社リストの作成し、出版社とのつながりができた。

また図書館総合展という大きなイベントにより、メディアからも注目される。甲子園の地元の出場校を応援する心理と同様に、地元で開催されることで、地元を応援したくなる心理が芽生える。

課題としては、各地域に適した運営(地域によって運営手法は異なる。東北は広い、仙台以外の参加が難しかった)が必要。運営していく人材の確保、経験の蓄積があげられました。

 

庄子さんからスライドをいただいたので追記(2013.11.6)

 

熊本の事例報告

熊本開催については、河瀬さん(くまもと森都心プラザ図書館副館長)から報告がありました。

熊本開催は「第6回日本図書館協会九州地区図書館の集い」の開催予定があり、連携して実施することになったこと。

実施内容は、バスツアー(福岡・熊本の2コース)と分科会。図書館の入っている施設自身が会場となっており、パネル討論→ブース見学→分科会→ブース見学と、ブースを通らないと移動できない配置となっていた。

チームからしれんこんの紹介。九州出身・在住の図書館員によるボランタリーなグループ。MULUとは異なり総合展熊本のための有志によるチーム。からしんれんこんが参画した内容は、九州・沖縄地方の出版社リストの作成、バスツアーの候補地の推薦、ポスター発表、配布資料の封入、会場設営、受付・誘導、分科会の司会進行など。

地方開催の意味、まず図書館総合展を地元の人に知ってもらうこと。フォーラムとブースの接近により、企業との接点を増やすこと。地域にある企業との連携。金剛の工場見学、総合展当日には金剛からの従業員が多数参加。

横浜は遠いが、地元なら行ける。横浜が近くに感じられるきっかけに。郷土色(食?)を出すことで、総合展参加者に地元を知ってもらう、おもてなしの気持ち。ビジネス要素と働く図書館員が地元の人を巻き込む機会に。

文化祭のノリで楽しむことができる。チームからしれんこん最高!

伊勢の事例報告

伊勢開催については、岡野さん(皇學館大学文学部国文学科助教)から報告がありました。


仙台、熊本との違いは、教員の立場からの参加であったこと。ARGカフェをきっかけに東海地域の図書館関係者が集まり、人と人とのつながりができた。テーマは東海圏に学ぶMALUI連携。

実施した内容は、バスツアー(三重コース、愛知コース)、フォーラム、まちあるき(伊勢ぶらり)。基調講演は、「昨日のできごと・明日のものがたり、読んで書くためのまちあるき」。地域資料の活用、アーカイブズとクリエイティブ、まちあるき・文学散歩などの建物の外に出るイベントを通じ、図書館が地域資料をどう活用できるか、図書館をどう活用するかを模索。

地方開催はまちのものがたりを伝える。地域の特色を見たり、語ったりすることの重要性を一般化していく試み。

地方開催での反省点、1.広報と集客。情報を早めに出す。2.地元企業への声かけが不十分。スポンサーの獲得と地域連携。

良かった点は、MALUI連携によって面白い取り組みができることを確認できた。連携することで、普段できないことを形にしていく。

チーム伊勢うどんは、東海地域の勉強会の集まり。勉強会@近鉄線、リアルゴールドの会、トサケン@名古屋、なごやレファレンス探検隊、(仮)トショカンと本の交流会。

地方開催をすることで、地元アピールとなり、かたち・記録として残る。地方に図書館総合展を持ってくることができる、逆に地方を図書館総合展(横浜)に持っていくことができる。地元のカラーを出すことができるのが、地方開催の良さ。

岡山の事例報告

来年5月に開催予定の岡山開催については、嶋田さん(瀬戸内市図書館準備室室長)から報告がありました。


現在企画を練っているところ。「トショカン・ヨコの会」という、図書館だけでなく市民や書店の方なども交えての会がある。

テーマとして、なぜ地方展開なのか、岡山の狙い。図書館サービスを支える民間のサービスや財に関する情報が地方では不足している。新しいサービスなどを知る機会、比較する機会がなかなかない。横浜の総合展であれば実際に使っている利用者の声を聞く機会もある。

図書館総合展は基本、ビジネスショーである。企業は潜在的なユーザーと出会う機会、図書館はできるだけ多くのサービスやアイテムを知る機会となり、サービスをよくしていくことにつながる。図書館総合展はサービス変革の機会である、サービスを向上させるための新たなパートナーシップづくりとしたい。

地方開催は、地域の課題に併せたテーマ設定、議論ができる。公共・学校・大学の図書館連携、地域連携。まちづくり、地域貢献(地域開放)、学校支援地域本部活動など。

ラーニングコモンズとしての図書館について。貸出など利用される図書館づくりから、地域に根付いた図書館づくりへ。大学図書館のラーニングコモンズは学びのあり方を変えたのか?大学図書館のラーニングコモンズは公共図書館にも影響を与えることはあるか?ラーニングコモンズと地域貢献のミッションは関連するのものか?ファシリティの問題だけなく、コミュニケーションデザインとして、図書館スタッフがどう関わるか?

質疑応答

Q:地方色を出しているが、地方ごとのバトルというアイデアはないか。

  • 岡山開催にあたり、中四国で何かできないかという声があった。
  • 地域ごとの特色を出すということはあるかと思う。同じ地域でも地域差がある。地方開催地を決めるうえでの競争はある。手をあげたもの勝ち。県内でも競争はあると思う、三重、津でもなく、伊勢でできたことの意味はある。
  • 九州新幹線沿線沿いが中心。大分、宮崎を交えれなかった。次回は全県を交えてやれれば。
  • 一回全国を一巡しないと次の開催はないかもしれない。
  • ビブリオバトル、ポスターセッション、展示活動など魅せる活動の情報発信として競い合うことは可能かもしれない。

 

Q:地方開催の参加者層、広報ツールはどのようなものを活用したか?

  • 所属しているML、Twitterfacebook
  • 県立図書館からの情報発信
  • 図書館総合展公式ホームページ
  • 各市町村の図書館
  • 開催曜日と参加者ターゲットをどうするかも重要。日曜実施と月曜実施でターゲットが異なる。伊勢は式年遷宮と併せて、観光とあわせての参加もあった。

 

Q:図書館関係者向けのイベントが多いが、地方開催こそ利用者が参加できるようなイベントはできないか。

  • 学生と地域をどうつなげるかなどもひとつ。
  • 利用者としての地元企業をもっと巻き込みたかったが具体的には実施できなかった。

 

※時間の都合で、質疑応答に十分な時間を確保できませんでした。反省。

 

まとめ

※本来のフォーラムでのまとめではなくブログ的まとめです。

 

地方開催のよいところ。

・総合展(横浜)に行けない人も参加できる
・地域の図書館活動、地域の魅力を全国に発信できる
・地域の図書館コミュニティの形成・醸成
・企業と地域を結ぶビジネスチャンス
・地方の図書館単館、個人ではできないことができる。

・協力委員のスキルアップ(企画力、調整力、運営力、情報発信力 etc)
・協力委員とのネットワーク、参加者との交流
・地方の様々な取り組みノウハウの蓄積と活用
・地方開催により本大会への動員効果、宣伝効果

総合展や地方開催に参加・参画することで、地域の良さ、図書館の良さを再確認し、全国に発信して欲しい。また参加・参画することで、個人の知見・経験を増やし、地域や図書館の活性化、コミュニティ、ネットワークを強化し、よりよい図書館運営につなげてもらいたいですね。

 

課題は、図書館以外の関係者(書店や利用者、学生など)が参加できる仕組みをいかに設けていくか。運営方法をいかにスムーズにしていくか。このあたりでしょうか。

 

ちなみにアンケート回収は23枚。「とても参芳になった」が15、「少し参考になった 」が6、未記入が2で、「あまり参考にならなかった」、「ほとんど参考にならなかった」はありませんでした。とりあえず良かった。

 

また参加者の大半が公共図書館と企業の方々で、大学図書館はほぼいませんでした。企業側の参加が多かったのは、地方とのビジネスチャンスとして地方開催は期待されているのかなと推測されます。

 

うちの地方でできないか?という前向きなコメントもいくつかあり、次年度の白河、岡山、新潟以降の開催がどこになるか、今からとても楽しみです。まずは2014年3月3日の白河が盛り上がるよう、運営協力委員としても応援していきたいと思います。

 

感想

個人的には司会の心構えと準備が十分にできてなかったのが反省点。映像を見て、口癖や改善点がいっぱい見つかったのは良かったです。また内容とは別に、フォーラムの運営側との調整、準備が後手に回って自分の首が絞まったのも反省点。

 

良い点、悪い点も多数ありましたが、参加者の反応や意見を聞くことで地方開催の意義を確認できたことや、自分自身もいろんな経験ができたのは本当に良かったです。機会をいただいた皆さまに感謝するとともに、今後の活動に活かしていきたいと思います。

 

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